採卵お疲れ様でした。
注射や通院、自己採血など、心も体もたくさんのハードルを乗り越えて、ようやくたどり着いた採卵日。
ひとつの大きな山を越えてホッとしたのも束の間、やってきた採卵後の生理で「生理が10日以上もダラダラ続いてる…」「見たことないくらい大きなレバー状の塊がゴロッと出てきた…」と不安に思ったことありませんか?
この記事では、私のリアルな体験談とともに、
- なぜ採卵後の生理は長引くのか?
- レバー状の塊や量の多さの原因
について、解説していきます。
【私の体験談】採卵後、初めての生理は地獄でした…
今だからこそ「多くの人が経験することなんだ」と冷静に話せますが、当時の私は本当にパニックでした。ここでは、私の採卵後の生理が実際にどんな様子だったのか、リアルな記録をお伝えします。
いつから始まった?:採卵後10日目から
私の場合は、新鮮胚移植は見送り、すべて凍結する方針でした。採卵後、ホルモン補充の薬(ルトラールなど)は飲んでいなかったので、医師からは「1週間から10日くらいで生理が来るでしょう」と言われていました。
そして宣言通り、採卵からちょうど10日目に茶色いおりものが出始め、「あ、生理が来たな」と。ここまでは想定内でした。
何日続いた?:終わらない出血に精神的にもダウン…合計12日間!
いつもなら5〜6日でスッキリ終わる生理。しかし、採卵後の生理は全くの別物でした。
- 1〜2日目: 茶色い少量の出血。「本格的な生理は明日からかな?」と余裕。
- 3〜5日目: 鮮血に変わり、一気に出血量が増加。いつもの生理2日目がずっと続いている感覚。
- 6〜8日目: 「そろそろ終わるはず」という期待を裏切り、出血量はピークのまま。むしろ増えている気さえする。精神的に一番つらかった時期です。
- 9〜12日目: ようやく少しずつ量が減り始め、茶色い出血に変わる。そして12日目の夜、やっと出血が止まりました。
合計12日間。「いつ終わるの…?」と毎日ため息ばかりついていました。
量とナプキンの消費量:一番多い日用のタンポンが3時間もたない!
普段からタンポン派の私ですが、その常識が覆されるほどの量でした。
特に3日目から8日目のピーク時は、一番吸収量の多い「スーパープラス」タイプのタンポンを使っても、3時間経たずにジワっと染み出てきてしまうんです。漏れが怖くてナプキンも併用していましたが、それでも間に合うか不安で、仕事中も気が気ではありませんでした。トイレに行くたびに「またか…」と、その量の多さに愕然としました。
血の塊(レバー状):トイレで見るたびにヒヤッ!
そして何より不安だったのが、レバー状の血の塊です。
普段の生理でも小さな塊が出ることはありましたが、今回はレベルが違いました。トイレに行くたびに、500円玉大くらいのドゥルンとした塊がゴロッと出てくるんです。色も赤黒く、見るたびに「何か悪い病気なんじゃないか…」と心臓がヒヤッとしました。
生理痛のリアル:いつもの痛みとは違う「鈍痛」
生理痛も、いつもの「キューッ」と締め付けられるような痛みとは少し違いました。お腹の奥の方がズーンと重たい感じの「鈍痛」がずっと続くんです。鎮痛剤を飲めば少し和らぎましたが、完全にはなくならず、常に下腹部に違和感がありました。
この「終わらない出血」「大量の鮮血」「レバー状の塊」「鈍痛」の四重苦。次の診察日まであと1週間もあり、不安でした。
なぜ?採卵後の生理が「長い・多い・塊が出る」原因はホルモン剤の影響
私自身、あまりの異常事態に「子宮に何か問題が起きたんじゃ…」と心配しましたが、確認したところ、これは採卵周期特有の現象で、多くの人が経験することだとわかりました。
では、なぜ採卵後の生理はこんなにも様変わりしてしまうのでしょうか。主な原因は2つあります。
原因① 排卵誘発で子宮内膜が“フカフカ”になりすぎた
一番大きな原因は、排卵誘発剤の影響です。
採卵のために連日、排卵誘発の注射や薬を使いますよね。あれは卵子を育てるだけでなく、女性ホルモンの一種である「エストロゲン(卵胞ホルモン)」の分泌も強力に促します。
エストロゲンには、受精卵が着床しやすいように子宮内膜を厚くフカフカにする働きがあります。通常の周期よりもはるかに多くの卵胞が育つ採卵周期では、このエストロゲンの分泌量もケタ違いに増えます。
その結果、子宮内膜はいつもより何倍も厚く、フカフカな状態に。
生理とは、この厚くなった子宮内膜が剥がれ落ちて排出される現象です。内膜が分厚い分、すべてが剥がれ落ちるのに時間がかかり、出血期間が長引きます。また、排出される内膜の総量が多いため、出血量が増えたり、大きな塊(剥がれ落ちた内膜)が出たりするのです。
つまり、あのレバー状の塊の正体は、厚く育ちすぎた子宮内膜だった、というわけです。
原因② 黄体ホルモン補充の“急な中止”によるもの
もう一つの原因は、ホルモンバランスの急激な変化です。
特に、私のように新鮮胚移植をせず全胚凍結した場合、採卵後は黄体ホルモン(プロゲステロン)を補充する薬を使いません。
体は、採卵が終わると卵胞から黄体が作られ、黄体ホルモンが分泌される…と思いきや、排卵を抑える薬(GnRHアゴニストやアンタゴニスト)の影響で、その機能がうまく働きません。
結果として、採卵後は体内のホルモンが急激にストンと減少します。この「ホルモンの急降下」が引き金となって起こる出血を「消退出血」と呼びますが、これが採卵後の生理の正体です。自然な周期の生理とはホルモン変動の仕方が違うため、出血のパターンもいつもと違ったものになりやすいのです。
ちなみに…採卵後“2回目”の生理はどうなる?
長く辛かった1回目の生理を乗り越えると、次に気になるのは「この変な生理、まさかずっと続くの…?」ということですよね。
結論から言うと、採卵後2回目の生理は、通常通りの周期や量に戻ることがほとんどです。
あの異常な生理は、あくまで排卵誘発剤などの影響による一時的なもの。1回目の生理で厚くなった子宮内膜がリセットされれば、体はまたいつものリズムを取り戻そうとします。
私の場合は、1回目の生理が終わってから約30日後、つまり普段通りの周期で2回目の生理が来ました。量や期間、生理痛も、不妊治療を始める前の状態とほぼ同じで、「あ、体が元に戻ったんだな」と心からホッとしました。
もちろん、ホルモンバランスが完全に整うまでには少し時間がかかることもあり、2〜3周期は若干の乱れが続く人もいるようです。
【まとめ】採卵後の長い生理は“頑張った証”。でも無理せず不安ならすぐ相談を!
今回は、私の体験談を交えながら、採卵後の生理が長引く原因についてお伝えしてきました。
不妊治療は、先が見えない不安との闘いです。特に採卵後は、心も体も本当にデリケートな時期。そんな中、いつもと違う体の変化が起きれば、不安で押しつぶされそうになりますよね。
でも、あの長くて辛い生理は、あなたが採卵という大きな挑戦を乗り越えた「頑張りの証」でもあります。
「お疲れ様」とたくさん労って、ゆっくり休みましょう!
コメント