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【2段階移植体験談】期待と不安、そして涙の先に。3度目の挑戦の記録

今回は、私が不妊治療の3回目の挑戦で臨んだ「2段階移植」について、そのスケジュールやリアルな体験談を詳しくお伝えしたいと思います。

同じように頑張っている方や、これから2段階移植を考える方の参考になれば嬉しいです。

目次

2段階移植とは? まずは基本をおさらい!

2段階移植の基本的な仕組み

「2段階移植って何?」って思う方もいますよね。私も最初はそうでした!
簡単に言うと、初期胚(だいたい受精後2~3日目の胚)と、その数日後に育った胚盤胞(受精後5~6日目の胚)を、時期をずらして2回に分けて子宮に戻す治療法のこと。

イメージとしては、

  1. まず、初期胚ちゃんが子宮内膜に「これから仲間が来るよ~」ってシグナルを送って、着床しやすい環境を整えてくれる(らしい!)。
  2. そこに、満を持して数日後に胚盤胞ちゃんが登場!準備万端のベッドにダイブ!

みたいな感じなのかなって、私は勝手に想像してました(笑)。

なぜ2段階移植を選んだのか

今回で移植は3回目。過去2回は、胚盤胞移植と初期胚移植をしたものの、どちらも残念ながらかすりもせず…。

2回移植してダメだった場合は2段階移植ができるということで、先生と相談した結果試してみることになったんです。

先生からは、
「過去の移植で着床に至らなかった場合や、良好な胚盤胞ができにくい場合に選択肢の一つになるよ」
「初期胚が子宮内膜を刺激して、後の胚盤胞の着床を助ける可能性があるんだ」
と説明を受けました。

正直、少しでも可能性があるなら…!という気持ちと、これまでとは違う方法で挑みたいという思いから、この2段階移植を選びました。藁にもすがる思いってやつですね

医師から聞いたメリット・デメリット

治療を受ける上で、メリットとデメリットを理解しておくのは大切ですよね。

メリット
  • 着床率の向上が期待できる(特に反復不成功例など)。
  • 初期胚が子宮内膜環境を整えることで、胚盤胞が着床しやすくなる可能性がある。
デメリット
  • 多胎妊娠(双子など)のリスクが単一胚移植より少し上がる。
  • 2回移植するので、費用が少し高くなる場合がある。
  • 2回通院が必要。

私のクリニックでは、多胎のリスクについては「確かにゼロではないけど、そこまで心配しすぎる確率ではないよ」とのことでした。費用面は、確かに少しアップしましたが、それで可能性が上がるなら…と納得しました。

私の2段階移植スケジュール

ここからは、私のリアルなスケジュールと当時の様子をお伝えしますね!

前回10回目の採卵で初期胚1つと胚盤胞1つが凍結できました。

ぶー奈

相変わらず凍結率が悪い…これで着床しなければもう一度採卵です

採卵周期の後は卵巣を休ませるために1ヶ月お休み周期を入れました。

お休み周期の間もタイミングか人工受精を提案されましたが、正直全く妊娠できる見込みが自分の中にないので、純粋にお休み周期としました。

全体スケジュール

スクロールできます
Day実施エストラーナテープ(枚)プロバイオティクス<就寝前>ウトロゲスタン<朝昼晩>
12
2
32
4
52
6
721
81
941
101
1161
121
13診察811
1411
15411
1611
17初期胚移植411
1811
19胚盤胞移植411
2011
21411
2211
23411
2411
25411
2611
27411
28判定11
ぶー奈

採卵時よりもこまめな通院は必要なかったのは嬉しかったです

エストラーナテープとの闘い:生理開始からの道のり

2段階移植に向けた準備は、生理が始まると同時にスタートしました。まずは、子宮内膜を厚く育てるためのホルモン補充療法、エストラーナテープです。

私の治療スケジュールでは、生理が始まってからまず2枚のテープをお腹に貼り、そこから徐々に枚数を増やしていくというものでした。

D9(生理9日目)には4枚、D11には6枚、そしてD13の診察後には最大の8枚に。移植後は4枚に減りましたが、判定日まで貼り続ける必要がありました。

このエストラーナテープ、枚数が増えるにつれて貼っているお腹の皮膚がだんだんとかぶれてきてしまうのです。赤みが出て、時にはかゆみも伴いました。

唯一の対策は「貼る場所を毎回少しずつずらす」ことでしたが、枚数が多い時期は貼るスペースを確保するのも一苦労。

ぶー奈

「赤ちゃんを迎えるための大切な準備なんだ」と自分に言い聞かせながらも、かぶれたお腹を見るたびに、ため息が出そうになることもありました。

子宮内フローラを整える:プロバイオティクス膣錠

エストラーナテープと並行して、移植に向けた子宮環境づくりの一環として、プロバイオティクスの膣錠も処方されました。

医師からは「子宮内フローラを整えるため」という説明を受け、生理の出血が治まったD7(生理7日目)から、判定日まで毎日、就寝前に1錠ずつ使用することになりました。

これは移植する胚が着床しやすいように、子宮内の細菌バランスを良い状態に保つためのもの。

目に見えない部分へのアプローチですが、少しでも良い状態で移植に臨みたいという一心で、忘れずに毎日続けました。

プロバイオティクス膣錠に関しては入れた時の違和感やその後の変化は特にありませんでした。

移植に向けて:ウトロゲスタン膣錠の副作用と向き合う日々

そして、いよいよ移植が近づいてきたD13の診察後からは、黄体ホルモンを補充するためのウトロゲスタン膣錠が始まりました。

これは、受精卵が着床しやすく、また着床後も妊娠を維持するために非常に大切なホルモンです。

このウトロゲスタン膣錠は、朝・昼・晩の1日3回、毎日欠かさず使用する必要がありました。判定日まで続くこの膣錠、私にとっては副作用の眠気が一番の試練でした。

ぶー奈

入れたら眠くなる。仕事辛い

本当に、膣錠を入れた後はしばらくすると強烈な眠気に襲われるのです。

特に日中の仕事中にこの眠気がやってくると、集中力を保つのが本当に大変でした。

また、副作用としておりものが増えることもあり、ナプキンやおりものシートが手放せない日々。体の変化に一喜一憂しそうになる心を抑えながら、ただただ指示通りに薬を使い続ける毎日でした。

希望を乗せて:2度の移植

1回目の移植:初期胚移植(D17)

D17(生理17日目)、いよいよ1回目の移植当日を迎えました。この日は、初期胚を子宮に戻します。
これまで2度の移植を経験していましたが、何度経験しても移植日の朝は独特の緊張感があります。

クリニックでの移植は、採卵の時のような痛みはほとんどありません。

培養士さんから移植する胚の説明を受け、その後、内診台へ。モニターには、カテーテルを通して小さな胚が子宮の中へと入っていく様子が映し出されました。

キラリと光るものが、ゆっくりと子宮内に置かれる瞬間。「ああ、今、お腹に戻ってきたんだな」と、何とも言えない温かい気持ちと、生命の神秘のようなものを感じて、胸がいっぱいになったのを覚えています。

移植自体はあっという間に終わりました。

クリニックを出てからは、妊娠のジンクスとしてよく聞くパイナップルを買って食べました。効果があるかは分からないけれど、何でも試したい、そんな気持ちでした。

2日間の待機、そして2回目の移植へ

1回目の初期胚移植を終え、次は2日後に行われる2回目の胚盤胞移植を待ちます。
この2日間は、すでにお腹の中にいるかもしれない小さな命のことを想いながら、いつも以上に穏やかに過ごそうと心がけました。

そしてD19(生理19日目)、2回目の移植のために再びクリニックへ。この日は、1回目の初期胚よりもさらに成長した胚盤胞を移植します。2段階移植の「本番」とも言える移植です。

2回目の移植も、1回目と同様の手順で進められました。特に大きな違いはなく、前回と同じようにモニターで胚が子宮に戻される様子を見守りました。

前回ほどの強い感動というよりは、「どうか、今度こそ…!」と、より一層強く願う気持ちが大きかったように思います。

2つの大切な卵を、確かにこのお腹に迎えた。あとは、信じて待つだけです。
移植後は、またしばらく安静にしてから帰宅しました。

判定日までの道のり:静かな期待と大きな不安

2度の移植を終え、いよいよ判定日(D28)までの約1週間、結果を待つ日々が始まりました。
この期間は、期待と不安が大きく揺れ動く、精神的にとても落ち着かない時間です。

移植後から判定日まで、いわゆる「妊娠超初期症状」のようなものは、私には「全くなし」。胸の張りも、下腹部痛も、少量の出血も、何も感じませんでした。

もちろん、ホルモン補充は判定日まで続きます。

ウトロゲスタン膣錠による眠気、おりものの増加も変わらずにありました。特にウトロゲスタンの眠気は相変わらず強く、日中の仕事にも影響が出ないよう気を張っていましたが、それでも時折襲ってくる睡魔と闘うのは本当に辛かったです。

判定日の前日に、自宅で妊娠検査薬を試しました。

結果は、真っ白。「ああ、やっぱり無理だった…」と、心の大部分が諦めに近い感情で覆われていくのを感じました。

告げられた結果:そして、溢れる涙

D28(生理28日目)、ついに判定日がやってきました。
数日前のフライング検査で真っ白な結果を見ていたため、心のどこかで「きっとダメだろうな」という諦めに近い気持ちを抱えクリニックへ向かいました。

そして告げられた結果は、「陰性」。

「そうですか…」
絞り出すようにそう答えるのが精一杯で、医師からの説明も、あまり頭に入ってきませんでした。ただただ、「辛い」という感情だけが、体中を支配しているようでした。

2回の移植もうまくいかず、3度目の正直と信じて臨んだ2段階移植。

「今度こそ」と強く願っていた期待が、ガラガラと崩れ落ちていくような感覚でした。

クリニックを出てからも、涙はなかなか止まりませんでした。

最後に:同じように頑張るあなたへ

今回の2段階移植は、私にとって3度目の移植挑戦であり、残念ながら妊娠には繋がりませんでした。
陰性と告げられた時の絶望感、これまでの努力が報われなかったことへの虚しさ、そして先の見えない不安は、今も心の奥深くにあります。

この体験談を読んでくださっている方の中には、今まさに同じように辛い治療の道を歩んでいる方、何度も涙を流してきた方、そして、これから治療を始めようとされている方もいらっしゃるかもしれません。

治療中は、どうしても結果に一喜一憂してしまいます。でも、どんな結果であっても、命と向き合い、これだけの治療を乗り越えてきたあなたは、本当にすごいです。どうか、頑張っている自分自身をたくさん褒めてあげてください。

この道の先に、どうか、皆さんの願いが届きますように。心から祈っています。


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